特定建設業許可を取ったとしても、もし、すぐに業績が悪くなったらどうなる?

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【ご相談内容】
特定建設業許可を取りたいのだけれど、この先の業績見通しが少し悪くて…。
税理士さんの話だと、自己資本比率とか、そのへんの条件を維持するのが難しいだろうということなのですが…。
やっぱり無理ですか?

 

建設業の「特定許可」とは

特定」建設業許可とは、発注者から直接請け負う1件の工事について下請代金の額が4,000万円(建築一式工事の場合6,000万円)以上となる下請契約を締結して施工しようとする場合に必要となるものです。なので、そうでない場合は、「一般」建設業許可で大丈夫です。

つまり、

一般建設業許可」は、軽微な工事だけを行う場合を除いて、元請業者・下請業者を問わず建設業を営む者は取得しなければなりません。

特定建設業許可」は、発注者から直接請負った工事について、建築一式工事では6,000万円(消費税込み)以上、その他の工事では4,000万円(消費税込み)以上の工事を下請業者に発注する建設業者が取得しなければなりません。

 

特定建設業許可の要件

まず、一般建設業の場合、次の5つの要件すべてに該当しないと許可は取得できません。
①経営業務の管理責任者を有すること(法第7条第1号)
②営業所ごとに置く専任技術者を有すること(法第7条第2号)
③誠実性を有すること(法第7条第3号)
④財産的基礎または金銭的信用を有すること(法第7条第4号)
⑤欠格要件に該当しないこと(法第8条各号)

このうち、
②の営業所ごとに置く専任技術者
④の財産的基礎についての要件 が、
とても厳しくなったものが特定許可です。(その他の①経営業務の管理責任者③誠実性⑤欠格要件については同じです)

特定許可における「②営業所ごとに置く専任技術者」

次のいずれかに該当することが必要です。

イ 許可を受けようとする業種について、国土交通大臣の認めた技術検定、資格試験などに合格した者(法第15条第2号イ)

ロ 一般建設業の技術者に該当する者のうち、発注者から直接請負った工事の請負金額が4,500万円以上の工事に関して2年以上の指導監督的な実務経験がある者(法第15条第2号ロ)

ハ 国土交通大臣がイまたはロの者と同等以上の能力を有すると認定した者(法第15条第2号ハ)

特定許可における「④財産的基礎」

申請直前の決算において、次のすべてに該当することが必要です。

イ 欠損の額が、資本額の20%を超えていないこと
ロ 流動比率が75%以上であること
ハ 資本金が2,000万円以上であり、かつ自己資本の額が4,000万円以上であること

なお、新設法人については、資本金の額が4,000万円以上あれば上記3点に該当するものとされています。
また、欠損比率については、繰越利益剰余金がある場合のほか、資本剩余金(資本剰余金合計)、利益準備金、その他剩余金(繰越利益剰余金を除く)の合計額が繰越利益剰余金の負の額を上回る場合は要件を満たしているので、「④財産的基礎」については、ロとハに該当していればよいとされています。

 

特定建設業許可を取っても、次の決算で財産的基礎要件を満たせなくなったら許可が無くなりますか?

財産的基礎等の確認のタイミング

一般建設業許可も、特定建設業許可も、どちらも財産的基礎等の要件がありますが、この要件は、常に満たしている必要はありません。

財産的基礎等の要件は、「許可を申請するとき」のタイミングで、その要件を満たしているかが審査されます。
また、「許可の申請」には、建設業許可の新規の申請はもちろん、更新や、業種を追加する申請なども含まれます。

ですので、たとえば、特定建設業許可を取った業者さんが、今期は業績が落ち込んでしまし、そのまま決算を締めると、特定建設業許可の要件を満たせそうにないといった場合でも直ちに特定建設業許可が無くなるというわけではありません。

財産的要件のチェックは「許可申請」のとき

建設業許可業者は毎年、決算が終わるとその報告(「決算変更届」といいます)を提出しなければならないのですが、役所側はその報告によって決算の内容が確認できてしまします。
なので、本当なら、そこで「財産的基礎要件を満たしていないですね」ということで、特定許可が取消されてしまいそうです。

しかし、財産的基礎等の要件確認は、決算ごとに行われるものではなく、「許可を申請するとき」の直前の決算内容で確認されるため、たとえ決算内容が条件を満たしていなくても、その決算から1年以内に「許可の申請」がないなら、決算の報告(決算変更届)でもって財産的基礎等の要件がチェックされるということはありません。
そのため、財産的基礎等の要件を満たさないからといって、直ちに特定建設業許可がなくなることにはならないというわけです。

ただし、翌年度のうちに「許可の申請」をする予定がある場合は、注意が必要です。

さきほどの事例でいうと、翌年度に特定建設業許可の更新をしなくてはならないなんて場合、更新の申請をおこなう直前の決算の内容によって財産的基礎の要件を確認されます。
ですので、今期の決算内容だと、特定建設業の要件を満たしていないことになって、特定建設業許可の更新が認められないことになってしまいます。
その場合、許可を維持させるためには、事前に特定許可から一般建設業許可への切り替えを行なったうえで更新の手続きを取らないと、そのままでは許可は失効してしまいます。

一般建設業許可の場合はどうか

財産的基礎等の要件のひとつに、「許可申請の直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること」という要件があるとおり、建設業許可を取得してから5年経過した後は、「許可を申請」する際も、財産的基礎等の要件は確認されません。

財産的基礎等の確認方法

財産的基礎等の要件は、建設業許可の新規申請や更新申請などの際に、その申請の直前の決算内容でチェックされます。

具体的には「財務諸表」で確認されます。

この点、会社を設立したばかりでまだ決算を迎えていない建設業者でも、許可申請の際には必ず財産的基礎等の要件が確認されますが、その場合は、創業時の財務諸表(開始貸借対照表)でもって要件を満たすかどうかをチェックされることになります。

また、特定建設業許可の要件に関して、申請する直前の決算では財務諸表で「資本金」の額だけが要件を満たしていないという場合なら、許可申請時までに増資をして資本金の要件を満たせば、財産的基礎等の要件をクリアすることができます。

 

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