【建設業許可の要件】 財産的基礎又は金銭的信用があることとは?
一般建設業の許可要件
建設業の許可要件は次の5点で、このすべてに該当しないと許可は取得できません。
①経営業務の管理責任者を有すること(法第7条第1号)
②営業所ごとに置く専任技術者を有すること(法第7条第2号)
③誠実性を有すること(法第7条第3号)
④財産的基礎または金銭的信用を有すること(法第7条第4号)
⑤欠格要件に該当しないこと(法第8条各号)
上記の④にあるように、
建設業許可の要件のひとつに「財産的基礎又は金銭的信用があること」(財産的基礎等)という要件があります。
この財産的基礎の要件は、一般建設業許可と特定建設業許可ではその内容が異なっていて、特定許可の方が厳しい要件となっています。
一般建設業の許可を受ける場合、次のいずれかに該当することが必要です。
財産的基礎又は金銭的信用があること
一般建設業の許可を受ける場合
次のいずれかに該当すること
- 自己資本の額が500万円以上であること
- 500万円以上の資金を調達する能力を有すること
- 許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること
特定建設業の許可を受ける場合
次のすべてに該当すること
- 欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと
- 流動比率が75%以上であること
- 資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること
建設業許可になぜこのような要件が求められるのか
これは、特定建設業者は多くの下請業者を使用して工事を施工するための許可であることから(特定許可についてはこちら)、特に健全な経営が求められることが理由です。
また、建設業法の規定で、発注者から請負代金の支払いを受けていない場合であっても、下請負人から工事の目的物の引渡しの申し出がなされてから50日以内に下請代金を支払う義務があること等も理由です。
建設業を営むためには、準備として資材や機材の購入が必要となり、それらの購入資金が必要になるため、建設業許可を取得するには、最低限の基準を定めその資金を確保させるためにこのような要件があるのです。
「自己資本」とは
法人にあっては、貸借対照表における純資産合計の額をいいます。
個人にあっては、期首資本金、事業主借勘定及び事業主利益の合計額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益保留性の引当金及び準備金の額を加えた額をいいます。
「500万円以上の資金を調達する能力」とは
担保とすべき不動産等を有していること等により、金融機関等から500万円以上の資金について融資を受けられる能力をいいます。具体的には、取引金融機関の預金残高証明書又は融資証明書等により確認します。
「欠損の額」とは
法人にあっては、貸借対照表の繰越利益剰余金が負である場合に、その額が資本剰余金、利益準備金及びその他の利益剰余金の合計額を上回る額を上回る額をいいます。
個人にあっては、事業主損失が事業主借勘定の額から事業主貸勘定の額を控除した額に負債の部に計上されている利益保留性の引当金及及び準備金を加えた額を上回る額をいいます。
「流動比率」とは
流動資産を流動負債で除して得た数値に100を乗じた数をいいます。
「資本金」とは
法人にあっては株式会社の払込資本金、持分会社等の出資金額をいいます。
個人にあっては期首資本金をいいます。
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