ビジネスのヒント

12年連続!黒字経営の秘密。その2

ラジオCMを500円で売り出したことで、12年連続黒字を達成している
あるラジオ局の話をしましたが…

いくらターゲットをしっかり定めたところで、
安くすればすべてうまくいくのかといえば、そう簡単ではないはずです。

何が、この仕組みを支えているのでしょう?

放送エリア内の中小企業や小規模事業主さんたちとなると、
そのターゲット数はけっこうな数字になります。

で、単価が小さいから負担も少ないので、
普通ならCМを出せないような小規模の事業者も
気軽に長く利用してもらうこともできる。
だから、リピートがとりやすくなります。

つまり、毎月ある程度決まった収入がきちんと確保できているってこと。
これは、強いです。
これって、よくよく考えてみると
毎月の会費をもらってるのと変わらないですよね。

そう、
この放送局がやっているのは

じつは、ある種の会員制ビジネスと同じことだったのです。

でも、いくら売り上げを確保できたからって
利益が出せるかどうかとなると
それはまた別の話ですよね。
そう簡単に黒字=利益を出せるとは限らない。

そこはどうしてるのかというと…。

まず、この放送局は
放送時間が朝7時~夜10時までなのですが、
その番組をすべて生放送にしてしまいました。
しかも、番組制作を、担当するパーソナリティさんが全部「自分で」やるようにしました。

そうすると何が起こるか?

通常だと、番組を「収録」して放送するのですが、
そうすると編集やら何やらで30分の番組を制作するのに5~6時間かかるそうです。
でも、生放送だから編集作業なんかいらない。
30分は30分。
これで製作コストつまり原価を大幅にカット

さらに、番組制作は、担当するパーソナリティさんが全部「自分で」やるから
余計なスタッフを雇わなくて済む。

これで人件費も大幅に節約。固定費がグッと下がる

それ以上に、何がいいって、
単に経費削減するだけではない、メリットがあるのです。
つまり、
自分で取材して、自分で編集して、放送するとなると、
局のスタッフ全員が、街の情報を熟知するようになるということ。

じゃあ、
だったら、それを活かして「雑誌にしちゃえ」と、

今度はタウン情報誌を作ってしまいました。
決して、放送ネタの焼き直しではありません…。
もしそうだとしても、
一度放送された情報を流しっぱなしにしないで、
きちんと手に取れる媒体にしてもらえるのは、ありがたい。

それに、タウン情報誌だから、もちろん広告があります。
こういうものに掲載したい事業主さんはいっぱいいるので、
ここからも顧客の囲い込みができるようになりますね。

こんなふうに、
この会社のすごいところは、
放送局だからって
他の局がやっていることと同じように、
デカい組織じゃないとやれないとか、
高い広告料とらないと売り上げにならないという
「固定観念に縛られない」ところや、
人がいないからって、
安易に派遣に頼ったり、外注で済ませたりとかしないところ、

どこかの頭の固い税理士さんみたいに「経費を削ること」ばかり考えないところだと思います。

小さな放送局だとか、少人数でやっているとか、
一見弱点にも思えそうなところを
徹底的に「強み」に変えてしまったところが、安定して12年連続黒字を出せる秘密なのですね。

500円か…
1分でも1,500円。
ウチも出してみようかな…。

 

 

 

 

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