ビジネスのヒント

不可能を可能にしたもの

 

「どう考えたって勝てっこない!」

 

それを見た関係者の全員が思ったことでしょう。

2012年12月。
ラグビーワールドカップ2015年大会の組み合わせが決まったときのことです。

日本代表の初戦は、なんと南アフリカ代表。

南アフリカ代表は、全員がターミネーターみたいなチーム。

この抽選結果を見て、ファンはもちろん、
おそらく関係者や選手自身すらそう思ったはずです。
(※実際、その後のインタビューでそのように語った選手もいました。)

ただし、

ひとりの男をのぞいて…。

 

はたして2015年9月。
あの、あまりにも有名になった
ラグビー日本代表の大逆転劇となるわけです。

その一人の男というのが、

世紀の大逆転を実現させ、
今や世界的名将となったエディジョーンズ氏。

彼は、様々なメディアでも紹介された通り
絵にかいたような鬼コーチらしいのですが、
彼によって日本ラグビーが変わった大きな理由があります。

それは何か?

と、その前に、

それまで、日本のラグビー界で
ずっと信じられていたことがあります。

それは、

「日本は他の国に比べて体格で負けているから
力勝負では勝てない。
でも、
日本人は、小さくても俊敏性で優っている

だから、俊敏性を強みとして活かし、
スピードで勝負していこう。」

と、

ずっと、そう信じられていました。

でも勝てない
国際試合をすると必ずと言っていいほど負ける。

そんななかでエディさんが日本代表チームの監督になったわけですが、

エディさんは、
監督になってすぐ、徹底的にデータ分析しました。

その結果、判明したのは、
速さはおろか俊敏性も他の国に負けているということでした。

体格でもスピードでも負けていた

つまり、

ずっと自分たちの強みだと思っていたことは
間違っていたのです。

そんなんでどうやって世界の強豪に勝てるというのか?

エディさんは、「日本人」というものをつぶさに観察しました。
選手だけでなく、日本人がどういう国民なのかというところから
観察し、分析したのです。

そして見つけました

日本人の「強み」を。

 

「これなら勝てる」

かくして
就任後の2012年のインタビューで
「私たちは次のワールドカップで必ず南アフリカに勝つ」と
断言したのでした。

そして2015年
彼の言葉通り、日本代表は南アフリカに勝ちました。

さて、

エディさんが勝てると確信した「日本人だけの強み」。

 

その「強み」とは
一体何だったのでしょう?

それは

日本人の「勤勉さ」

なんだそうです。

「勤勉さ」で南アフリカに勝つって…
何を言い出すんですか?と突っ込まれそうですが、

エディさん曰く、
「日本人は、勤勉で真面目。
練習もまじめにこなす
だから、鬼のような特訓にも耐えられる
だから、世界一過酷な訓練を課しても彼らはついてくる
だから勝てる」

 

え、

まじめに練習、て
そんなん当たり前やん。

いえいえ、
そうじゃないらしいです。

これが、他の国なら

「なんでそこまで言われなあかんねん」
となって、だれも練習に来なくなるそうです。

代表に選ばれるような選手が
「そんなしんどいことさすな!」と
平気でボイコットするらしいです。

でも、日本人はちがう。

歯を食いしばって絶対についてくる。

今まで
スピードだの俊敏性だのを
完全に思い込みで「強み」だ信じ、
それに基づいて戦略なんかを考えていたけれど、
世界には全く歯が立たなかった。

ポイントは、
自分たちで勝手に「強み」だと思い込み
そのせいでドツボにはまっていったということ。

日本代表も
エディさんに指摘されるまで
誰もそんなこと思ってもいなかったようです。

「日本人はどんな訓練を課してもついてくる。
ならば、南アフリカ以上の体力と筋力と走力を身に付けるための
練習をつければいいだけ。」

そう考えたのだそうです。

見事に的中。

これぞ名将。

 

あなたも自分で「これが強みだ」と思い込んでたりしませんか

あなた自身が思いもよらないことが、
実は本当の「強み」だったりするかもしれません

そして、それこそがお客様が求めていることだったりするのかも。

 

あなたが「強み」だと思っているもの。

じつは思い込みだったりしていませんか?

 

 

 

 

 

 

 

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